ミラブルプラスには塩素除去機能がついています。従来品のミラブルには無かった、ミラブルプラスからの目玉として紹介されることが多い機能です。
ただ、「塩素除去機能って何? どういう意味があるの?」と、正直よくわからないという人もいるでしょう。
そこで今回は、ミラブルプラスの塩素除去機能と、塩素を除去する意味を紹介します。
ミラブルプラスのカートリッジに塩素除去機能がある
ミラブルプラス本体に塩素除去機能が付いているわけではなく、特典として付属できるカートリッジに塩素除去機能が付いているんです。
トルネードスティックと呼ばれるカートリッジの中には、亜硫酸カルシウムという成分が含まれるボールが、たくさん入っています。近年は水道水の塩素を除去しようという流れがあり、ボールだけで売られていたりもするんですよ。
このボールに含まれる亜硫酸カルシウムは、還元剤という性質を持っています。難しい部分を大胆に省略して簡単に言えば、酸化した物質の「酸」を取り除く効果があるものです。その代わり、還元剤が酸化します。
自己犠牲の精神を感じますね。
だけど塩素と酸とが結びつくイメージが、あまり無いかもしれません。
実は塩素は、酸化剤としての性質を持っています。酸化剤というのは、簡単に言えば「他の物質を酸化させるもの」です。
だから亜硫酸カルシウムを使えば、酸化剤である塩素が取り除けるということですね。
カートリッジを通して水がシャワーヘッドに供給されることで、フィルターのような役割を果たしているという感じです。
その効果は、水道水に含まれる塩素の80%をカットするというもの。
じゃあ、その塩素を除去する意味は? そもそも水道水にはなんで塩素が含まれているの? という疑問に対する答えを、これから説明していきます。
水道水にはなぜ塩素が含まれているのか
水道水には塩素が含まれていると当たり前に語りましたし、当たり前のこととして受け入れている人も多いでしょう。だけどその理由まで知っている人は、意外と多くはないのではないでしょうか。まずは、水道水にどうして塩素が含まれているのか、どれくらい含まれているのかについて簡単に説明します。
理由は消毒のため
水道から流れる水は、浄水場で綺麗にしたものです。元を辿れば河川などから取ったもので、そこには最近やウイルスなどが含まれていたりします。こういった「有機物質」を消毒しなければ、安心して生活用水や飲料水として使えません。
実際、水道設備が整備される前は、細菌性赤痢やコレラなど水を原因とした感染症がたびたび流行していました。
そういったことが起こらないようにするため、塩素を使っているんです。
塩素を水に溶かすことで、塩素と水とが反応します。そして強い酸化作用のある物質が生み出されるんです。この強い酸化作用のある物質が、菌を倒してくれています。
このときの塩素が水道水に残っているわけです。これを、残留塩素と呼びます。
量は0.3~0.6mg/L以下
残留塩素の量は、水道法では0.1mg以上を保つように定められているんです。その基準を下回ると、安全性を保てなくなるというわけですね。
ただ、量が多すぎると人体に明らかな害が出ます。害が出なくても匂いや味に大きな影響を与えてしまうんです。水質管理項目だと、1mg/L以下という目標値が設定されています。
つまり、0.1mg以上1mg以下が、基準となっているわけですね。
実際の残留塩素の検出値は、地域によって異なります。
たとえば東京都新宿区だと0.4mgで、大阪市だと0.55mg、山梨県の富士吉田市では0.1mgとなっているんです。
相場は0.3~0.6mgという感じですね。
都市部ほど検出値が高めではありますし、都会の水道水は臭くてまずいイメージがありますが、意外と国が決めている基準よりはかなり下なんです。
基準値の低い富士吉田市はミネラルウォーターが採れますし、そもそもの水質が良いからあまり塩素を入れなくても良いという感じでしょうね。
名水地は水道水も、おいしそうです。
ミラブルプラス塩素除去機能のメリット解説! 塩素にはどんな悪影響がある?
ミラブルプラスの塩素除去機能と、水道水に塩素が含まれる理由について紹介してきました。人の健康のために塩素を使っているわけですが、じゃあそれをどうして除去するのかが気になりますよね。そこで、塩素除去するメリットを、塩素の悪影響から紹介します。
塩素はタンパク質を分解してしまう
塩素が水に溶けると強い酸化作用のある物質が生まれると語りました。この酸化力、かなり強いんですよ。接触した物質の分子を破壊して、有害物質を殺菌してくれるわけですから。強くなければ意味がありません。
ただ、この塩素には、タンパク質を分解する効果があります。
人間の細胞を形作る細胞膜と核の材料は、タンパク質です。髪の毛も肌も、タンパク質が材料となっています。そのため、「髪を綺麗に保つためにタンパク質を摂ろう」という美容法があるんです。
塩素の含まれた水道水をシャワーとして浴び続けることで、肌が乾燥しやすくなったり髪の毛が傷つけられたりします。
髪に関してもっと具体的に言えば、キューティクルが傷ついたり枝毛や切れ毛の原因になったりすることがあるんですよ。
肌が弱い人には刺激が強い
水道水は、結構刺激が強いです。
たとえば目にゴミが入った際、水道水で洗い流した経験がある人は多いでしょう。その後、目がシパシパしたり、少し痛かったりしますよね。それは水道水に含まれる塩素などが刺激となっているためです。
そのため、水道水で目を洗い流した後は目薬をしたほうが良いんですよ。
このように、水道水というのは意外と刺激があります。
肌が強い人はあまり気にならない程度かもしれませんが、肌が弱い人には刺激が強すぎる場合もあるんです。
特にアトピー性皮膚炎を持っている人にとっては、かなり刺激が強い。お風呂でアトピーの症状が悪化したという人も、中にはいます。
肌のことを考えるなら、なるべく刺激物は取り除いたほうが良いというわけです。
だからミラブルプラスは塩素除去機能を付けています。
ミラブルを開発したサイエンス社の会長の娘さんがアトピー性皮膚炎を持っていて、会長は娘さんの肌を守るためにミラブルを作ったそうですから。
プラスで追加された塩素除去機能を持つカートリッジも、肌が弱い人のためのものなんですよ。
水道水の独特の匂いの原因になる
シャワーだと感じることは少ないかもしれませんが、水道水ってミネラルウォーターには無い独特な匂いがありますよね。
この匂いも、塩素が原因となっているんです。カルキ臭というものですね。地域によりますが、飲水として使うときはかなり気になるという人もいるでしょう。そのためか、塩素除去しようという流れはキッチンの水道まわりがメインで進められています。
また、金魚など魚を飼育している人、アクアリウムをしている人は塩素除去に熱心です。
塩素は人体には極力害が無いように調整されていますが、魚たちには害がありますからね。彼らの本来の住処には塩素がありませんし、人間と違ってずっと水の中にいますから。
ただし、通常なら神経質にならなくても良い
塩素の悪影響をまとめると、こんな感じです。
- タンパク質を破壊してしまう
- 細胞のタンパク質が破壊されることで、肌荒れ・髪ダメージの原因になる
- 塩素が刺激となるため、肌が弱い人は肌荒れが悪化する可能性がある
- 独特の匂いの原因になったり、魚には有害だったりする
ただ、普通ならあまり神経質になる必要はありません。確かにダメージなどは懸念されますが、絶対に塩素を除去しないとキツいダメージを受けるわけではないんです。ケアをしっかりしていれば、問題が無い程度でしょう。
肌が弱くなかったりアトピー性皮膚炎じゃなかったりする人には、肌への影響も少ないです。
ミラブルプラスの塩素除去機能のメリットは、より美容に気を配りたい人や、アトピー性皮膚炎などのために肌が極端に弱い人こそ感じられるものとなっています。
ちなみに、塩素除去することにデメリットは、ありません。
塩素を除去したまま放置すると細菌やカビが繁殖したりしますが、シャワーとして浴びる分には問題が無いんです。
ミラブルプラスの塩素除去機能が必要かどうか考えてから買おう
ミラブルプラスのカートリッジには、塩素除去機能があります。
これにより、髪や肌により優しい水やお湯を浴びることができるというメリットがあるんです。一方、塩素を除去すること自体にデメリットはありません。
あるとすれば、カートリッジは付属品であり、塩素除去の効果を継続的に得るのであれば、定期的に交換しなければならないということくらいです。最初は特典として無料で付いてきますが、継続して使うなら追加で購入しないといけません。
もちろん塩素除去の効果がなくなったとしても、普通のお湯の出るシャワーとして使い続けられるので、効果が切れたタイミングで体感的な何かが変わるものでもありません。
これまで語ったミラブルプラスの塩素除去機能のメリットを微妙だと思うなら、追加購入はしなくても良いでしょう。
逆にミラブルプラスの塩素除去機能のメリットを大きいものだと感じるなら、追加購入しても良いのではないでしょうか。